第30話 頭が良いのはどっち?

「冗談きついぜアイツ、あんな小さな体で!
それに頭にも毛がまったく生えてないぞ、どっわははは」

静かになるのを待っておもむろに王様は立ち上がりました。

「王家がはじまって以来、
 王から王へと代々受け継がれてきた試練、
 それが『3つの試練』である。

 第一の試練では『知恵』を、
 つづく第二の試練では『勇気』を、
 そして最後第三の試練では『力』を試される。

 この3つの試練で候補者の中から次の国王にふさわしいものが選びだされる。
 しかし、もしお主たちが王の器でないときは、
 最後まで絶対に生き残れないシステムになっている

 このシステムで我が王家は滅びることなく400年間ずっと栄え、
 今も大国として繁栄しつづけておる」

タカヒロの頭に小鳥がとまると白いウンチをしたので、
会場の前列にいた子どもたちはキャッキャと喜びました。

「この試練は過酷極まりない。
 試練のなかで命を落とすこともある。よ~く心得よ」

命を落とすという言葉にガオタイガーの目は輝きます。

「まず第一の試練では真の知恵があるか試される。
 この試練は初代国王が王となる前、
 各地をめぐる旅の中で実際に知恵をしぼってお解きになられた由緒あるものだ。

 ここからはるか西に、大きな森がある。
 その森は迷いの森といわれ1度足をふみいれると
 2度と生きて出られぬあやかしの森。

 その森を抜けて王がこの地にたどりつくためには、
 森の中に1つしかない正しい道を見つける必要があった。
 その正しい道を知るものは1羽の鳥だけ。

 王が森に入ると道は左右に分かれていた。
 正しい道をしる鳥は分かれ道の中央にそびえる高い木にとまっておった。

 鳥はいった。

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