第33話 勝敗の行方

「では、第一の試練の勝者を発表する。

 第一の試練の勝者、タカヒローーー!!!」

ガオタイガーは自分の耳を疑いました。

「な、なんだと!!バカな!!!」

タカヒロは観客席とそこにいる養母とネコにむかって手を振りました。

「母上ヤッターよ!今日はネコを担いで胴上げするのだ

 ワッショイ!ワッショイ!」

ガオタイガーは王様や各国のVIPがいる壇上にあがると、

目を血走らせました。

「王様!せんえつながらとても納得いきませぬ!

 オレの答えの方が絶対正しいはずです!」

王様はうなづきました。

「うむ、ガオタイガーよ、そちの答え『正しい道は右の道』は、

 回答としてはすばらしくどこにも間違いはない。

 しかし、1つ見落としておるところがある。………

 もし鳥が正直だとしよう、

 『私はウソしか申さぬ』と言うのだとしたら、

 その鳥は正直なのか、それとも嘘つきなのか、どっちであろう?」

ガオタイガーはハッとしました。額から冷や汗が流れます。

「そ、そうか、こんなことに気づかなかったとは…!!」

「頭の良いお主のことだ、

 『私はウソしか申しませぬ』のどこがおかしいか分かったようだな」

 そう!この鳥は正直者でも嘘つきでもない

 ただたんに矛盾しておるのじゃ。

 ウソをいう正直者なんておらぬうえ、

 ウソしか言いませんと正直に告白するウソつきもこの世にはおらぬ。

 ただ言葉のあやにすぎんのじゃ!」

「どんな盾もつらぬく矛、どんな矛も防ぐ盾。

 そんな物はこの世にない。

 まさに第一の試練の話を解くヒントはこの『矛盾』なのじゃ!」

ガオタイガーは顔面蒼白になりワナワナ震えました。

「オレとしたことが勝ちを急ぐあまり

 自分の都合のいいように問題をとらえてしまった……

 くそ!オレ様がこんなぬけさくに負けたというのか!?」

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