「タカヒロが…また死ぬ……」 養母はオロオロして料理を落とします。 タカヒロはうつむくと、おびえるネコをそっと服の中に入れました。 「ふははは、きさまも人知を超えた力をえて自信があるんだろうが、オレ様がえた力のおそろしさはそんなもんじゃないぞ!」
ガオタイガーがサーベルを抜き力をこめギリギリにぎりしめるとガタガタとテーブルがふるえ、養母が用意してくれていたごちそうが踊るようにとびはねあたりにちらばります。 「な、なんなの?…地震!?」 「よーく見ておけ!そして正しい選択をしろ!!」 「母上伏せて!!」 「はぁぁぁーーーっ!!」
「きゃあああ!天井が落ちてくる!!」 ガオタイガーはサーベルの一振りで部屋全体をぶった切ったのです。 天井がものすごい音を立てながらズルズルとお城の外庭に落下してしまいました。
「わかったか、これがオレの無限の力だ!それでもまだ闘うというのなら、今度こそ間違いなく死ぬぞ!」 「タカヒロ、もうおやめ!ミア姫様以外にもきっといい人がまたあらわれるよ」 「この女のいうとおりだ。フッフッフ…フハハハハハ!!」 ガオタイガーが部屋をあとにする姿には、絶対的な勝利への確信がありました。
タカヒロは呆然としています。 「…だ、大丈夫かいタカヒロ!?…ふぅ、危ないところだったね…お前が声をかけてくれなかったら私はまちがいなく死んでいたよ」 「母上、そしてお前も無事でよかった」タカヒロは懐からネコをとり出すと床におろしました。 「お前のおかげだよ、ありがとうタカヒロ!しかし、どうするんだい?まさかあんな化け物みたいな人と闘うなんて言わないだろうね。だめだよ、もうあきらめる以外もうどうしようもないよ」 「本当に…どうしようもない…でも母上、この勝負どんなことがあってもボクは引きません!」 「男はあきらめが肝心なのよ、タカヒロ!」