そこまでいったとき、タカヒロはこんもり盛り上がった自分の両手を見つめました。 「あの水を飲んでボクも特別な力をえたんだ。もしここであきらめたら、一生後悔する。そんな気がする」覚悟したそのときタカヒロの両手が光ります。 「な、なんなの??…この感覚は……じ、時間が!?」 「もしかすると…時間の中にいたネコの神様は…時間の力を…さずけてくれたのかも。だって…いま…時間が…とっても…ゆっくり…流れている………」
手のふしぎな輝きがきえると時間の流れももとに戻ります。 「で、でも…タカヒロ…わたし…正直こわい…」 「ボクもこわい!!でも、男は命をかけて守らないといけないものがあると教えてくれたのは母上です…ボクにとってミア姫さまがそれなんです」 いよいよむかえた第三の試練の当日。 大勢の人びとがお城につめかけ、大広間は黒山の人だかり。
今か今かと試練の開始を待ちわびる人々の興奮と熱気がうずまくなか、王様とミア姫様が姿を見せると、会場のボルテージは最高潮に達しました。 「これよりミア姫の正式な結婚相手を決める最後の試練をはじめる!ガオタイガーとタカヒロは前へ」
身長195㎝、筋骨隆々そのうえ顔もスマートなガオタイガーが登場すると、黄色い歓声があがり花束が四方八方から投げ込まれます。 その後ろから身長165㎝でスキンヘッドのタカヒロが続いてあらわれると、とまどいや笑い声が入り交じり場内が変な空気になりました。
「今からそれぞれがもつ真の力を試す第三の試練をはじめる。この試練でいよいよ最後じゃ、第二の試練でおのおの特別な力を得たのだ、両者全力を出し切ること。しきたりによりどちらか一方が命を落とすまでこの試練は終わらぬ。見事相手の命をうばい、その力を示したものを勝者とする」