ガオタイガーとタカヒロは会場の中央にある円形闘技場にうつり、お互いの1つしかない命をかけて対峙するのでした。 「バカめ、このオレがせっかく忠告してやったのにノコノコ出てきやがって。よっぽど死にたいらしいな」 タカヒロの両手がほのかに輝きます。 「生きるか死ぬか…もう命をかけてやるしかない…」
「どうやら頭の表面だけでなく、脳みその方もツルツルらしい。いっておくがオレにとって人を殺すことはアリを踏みつぶすのと何も変わらん。まぁアホのお前に言ってもムダだがな」 「ミア姫さまのために全力をつくす・・・!そうすれば必ず結婚できる!!」
「フン強がるのはよせ。いくらバカなきさまでも死の恐怖を感じて感覚がマヒしているのだ。せめてものたむけだ、自分が死んだことさえ気づかぬほど一瞬のうちにほうむってやる!」 「ハアァァァーーー!!!」 ガオタイガーがサーベルに手をかけ全身に力をこめると、観衆の誰もが驚くほど
首まわりから肩、胸にかけて筋肉が隆起しました。 そして、地面が震えだし観衆はどよめきます。 「自分の運命をあの世で呪うんだな!」 ものすごい速さでふりおろされたサーベルの一閃は、タカヒロをたてに真っ二つに裂いたあと、かまいたちとなって闘技場の正門を突き抜けこなごなにしました
どよめきのあと一転してシーンと静まる会場。養母は顔をおおいその場にうずくまります。 ですが、次の瞬間会場から大きな歓声がわきあがりました。なんと真っ二つに裂かれたはずのタカヒロがガオタイガーの真後ろに立っていたのです。 「な、なんだと!?切り裂いた奴がどうしてオレの後ろに」
これには王様も驚かれました。 「な…なんというスピードだ。残像を残して後ろにまわるとは!しかも、ガオタイガーのすばやい剣さばきをかわしながら観客に被害がでぬよう剣を正門の方へずらしたのだ………あやつネコ好きで少し変わった所があるヘンな奴だと思っておったが、どうやら自分にふさわしい特別な力をえてきたようだ…まったくもって楽しいのぅ…」