「オレはまだイメージによる本当の力も出していないのだ。これでもう逃げることはできんぞ。さぁ、どうする?」
ガオタイガーが十字を切るとそこには、猛烈な風による十字路ができあがりました。
風の十字路の中にタカヒロを閉じ込めたのです。
「フハハハハハ!いくら素早いキサマでもこうやってものすごい風の中に閉じ込められていては何もできまい。あまりにも知能そして力の差がありすぎたな。さて…もうイメージを気にしている場合ではない。キサマにはそろそろただの物体になってもらうとするか。覚悟はいいな」 「!?」
ガオタイガーはサーベルから風の刃を無数にタカヒロへむけて飛ばしました。縦に一振りしたあと斜めそして横へとそのすばやさは目でとらえることができないほどの速さでした。
うなりをあげて風の刃がタカヒロを襲いかかり、何とか最初の攻撃をかわしたタカヒロでしたが、その後にとんできた攻撃をかわすことができず、わき腹から胸にかけてえぐられ、そのまま血をながし倒れました。 「ふっふっふ…赤子の手をひねるより楽だったな」
ガオタイガーの取り巻き立ちは次期国王がガオタイガーに決まったと顔をほころばせます。 「やはりガオ様は歴代最強。偉大な王になるにふさわしいお方。見たかあの圧倒的な力を!」 ゼェゼェと必死に息をするものの、タカヒロの肺はやぶれ空気がもれる音がするのでした。