すぐさまシャチのように飛び上がるガオタイガー。 サーベルがうなりをあげて、竜巻の中でもがくタカヒロの体をミンチにするべくおそいかかりました。 「!!」 その時、まるで時が止まったようにタカヒロのまわりの時間がゆっくり流れはじめます。
ものすごい竜巻はそよ風に。ガオタイガーのミキサーのようなサーベルの攻撃も縄跳びくらいのスピードになって、とてもゆっくりになったのでした。 「!!」 時間の流れがもとに戻ると、ガオタイガーは目を疑います。 「な、なぜ生きている!?オレ様の攻撃を……かわしたというのか!?そ、そんなバカな!!…ど、どうなっている!!」
「ボクが授かった特別な力は、時間の使い方をコントロールできるんだ。さっき命を落としかけたことで、
この力に 気づくことができた。今はその使い方の1つで、時間をゆっくりにしたんだ」
「じ、時間だと!?……」 (そ、そうか……こいつの動きを目でとらえることができなかったのは、時間に秘密があったのか!) 「そして、こんどは逆に…時間を速める!!」 タカヒロが目をとじると、今度は時間が高速ですすみはじめます。
「くっ…!なっ、なにを……!!」 そよ風になっていた竜巻は一気に風速3000メートルの爆風に。 猛烈な爆風にのってタカヒロは、ガオタイガーのお腹に頭突きをおみまいしました。 「ぐがっ… …がが…… が………!!」
タカヒロはガオタイガーの体ごと闘技場めがけてつっこみます。 ガオタイガーの体が闘技場の中央にたたきつけられると、会場全体が揺れました。 「…もう3秒たった…」 はじめて攻撃ができたタカヒロは、ガオタイガーに怯えていたことがすいぶん昔のことのように思えました。