第56話 形勢逆転

がれきの中から立ちあがろうとしたガオタイガー。しかし、視界がゆれてドウと崩れ落ちます。 「お、おのれ!ゆるさんぞ!!」 イメージの力で体を回復させようとしますが、あまりの屈辱で思うようにいきません。 「よ、よくもオレ様に恥をかかせてくれたな!かくごはできているんだろうな!!」

「し、信じられん…ガオ様の…あんなお姿一度も見たことないぞ…」 どんな相手でもいつも完全勝利をおさめるガオタイガーしか取り巻きたちは知りませんでした。 「勝てる!この力があればぜったい勝てる!!」 タカヒロは腰をおとすと、ネコのように両手をのばしました。

「勝てる?…いま、このオレ様に勝てるといったのか?…卑しい身分のくせにちょうしにのるな!本当のオレ様の力をみたときがキサマの最期だということを忘れるな!!」 「フフフ、ボクにとってお前はネコにとってのネズミだ。覚悟しろ!シャー」調子にのったタカヒロはネコのように歯をむき出しにして威嚇します。

しばらく沈黙がつづいたときでした。 瞬時に間合いをつめたタカヒロの強烈なネコパンチがガオタイガーの顔面をとらえると、ガオタイガーは脳震盪を起こして足元がフラつきます。 (消えたと思ったらすでにパンチが当たっておる。いくらガオタイガーでも見切れるはずがない!!) 王様も会場の人々も、あっけにとられます。

よろめく体を必死にささえるガオタイガー。 「…ぬ…ぐぐぐ…く…くそったれめーーー!ゆ、ゆるさん!!」 ガオタイガーはイメージで顔の筋肉を強化してふらつきをおさえると、すぐさまタカヒロに襲いかかります。 しかし、剣が振られるときタカヒロは消え、ガオタイガーのガラ空きになった後頭部にネコ頭突きをくらわせていました。

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