この国を世界でも最大の繁栄国に導いたという王家の血…ただの言い伝えだと思っていたけど…本当だったんだ!」 タカヒロはとまどいながらも大好きなネコの頭をなでました。 「ミア姫さま!ほんとうにありがとう!!」 「あなたが家族のように大切されていたから、無事でよかったですわ」
「ネコを救ってくれたことを心から感謝します」 「タカヒロ、あなたの闘いを見ていました。最後の最後まであきらめないで闘うそのひたむきな姿に感動しました。本当にありがとう」 タカヒロはミア姫さまを好きになって本当によかったと思いました。 (ボクはこの人を必ず幸せにする!)
婚礼の儀から3か月もすると、祝賀ムードもだんだんとおちついていつもの日々が戻ってきました。 そんなある日、王様はミア姫の部屋をたずねます。 新しいみごとな住まいの中で、姫がとても幸せそうにしているのをみて喜びました。 (ミアよ…母をはやくに亡くしたそなたの心の空白を
その心の空白をわしは埋めきれなかったが、その分だけ今そちが幸せになったことを父として嬉しくおもう) しばらく休んだあと、王様は姫に別れを告げると宮殿に帰っていかれました。 (お父さま…ここまで守り導きささえていただいて私は本当に幸せ者です。ありがとう)
さて、王子となったタカヒロは毎日大勢の野良ネコたちに囲まれて、ケガをしたネコの治療をしておりました。 そのため、町の人たちはみんなタカヒロが王子になっても以前と何も変わらないことに感心すると同時にあきれました。 「ネコにいれこんで国をかたむかせはしないだろうか?」