あまりに変わりすぎているため、タカヒロの評判はあっという間に国中に広まり、太守や貴族たちも自分の目で直接確かめるためにわざわざお城をたずねてくるようになります。 身分の低い人も高い人もみんな、タカヒロのうわさをするようになりました。 そして、タカヒロの評価は真っ二つにわれます。
今までの王子たちの中でもうぬぼれが強く自信過剰で偉そうな話し方をしないので、いい王様になるという人。 ネコ好きなただの無能な凡人、あんな者に国をおさめることはできないという人。 ちょうどそのころ、タカヒロのうわさをききつけたある敵国がタカヒロをポンコツと判断します。
そして、大軍を率いてせめこんできました。 王様はさっそくタカヒロを総大将にして敵をむかえ撃つように命じました。 タカヒロは手下の兵たちをさがらせると、1人で戦場にむかいます。そして、敵の大軍のなかにとびこんでいきました。 敵の大将は、タカヒロの首をとった者には3世代にわたって
贅沢な暮らしができるほどのたくさんの黄金をさずけると兵士たちに約束したので、突然あらわれたタカヒロをみつけると大地がわれるほどの大歓声がおきます。 その首をうばおうと、刀や斧それにライフル銃までもちだし次から次に兵士たちが襲いかかります。でも、誰もタカヒロにふれることができません
敵の兵士たちは不思議な力ではじきとばされ芋虫のようにあたりをゴロゴロと転がります。 あまりのことに頭が真っ白になって立ちつくす敵軍。 タカヒロはとうとう敵の総大将をみつけると、そのどてっぱらに思いっきり頭突きをくらわせ、何も言わずにいますぐ退却するように命じました。