第81話 謎の黒い毛

タカヒロはまったくわけがわからぬまま、大臣のあとについて王様のもとへ向かいます。 「な、なにをするんです!?やめてください!ボクがいったい何をしたというのです?」 「だまれ、この宇宙人め!姫をどこへやった?教えぬとその頭と胴体を切り離してくれてやるっ!!」

王様は家来に命じてタカヒロの頭をテーブルに押さえつけさせると、その首をいつでも切り落とす準備をさせました。 「なぜ何も言わぬ!自分がどんな罪を犯したか言えぬのか!?なら余が言ってやろう。あの黒々しんじゅは国を亡ぼす邪悪な宝石。それをミアその結婚にあてこんでこの国にもちこみ、

王家もろとも亡ぼすつもりであったのだろう!!余に恩義をかけられたという宝石商が来てくれなかったら、一体どうなっていたことやら…」 「王様!ミア姫さまのいなくなった部屋からこんなものが…」 あわてて駆けつけた家来はひざまずくと、指先につまんだものをおそるおそる王様に差し出しました。

「なんだ、これは!?まるでモップのような毛ではないか…」 「はっ!このゴワゴワした謎の大きな黒い毛がじゅうたんの上に何本も落ちておりました」 「ボ、ボクにも見せてくれ!」 タカヒロは顔をあげ毛を見せてもらいました。 (こ、これは!) クセのあるこのゴワゴワした毛には見おぼえがありました。

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