「そ、そんな………」 がっくり肩を落とすタカヒロをしり目に、魔王使いは嬉しそうにマスターキーの秘密を話しはじめました。 「セカンドマスターキーは愛と性の象徴。このマスターキーを持つものは、時間とともにあらゆるものを豊かにして増やす。
この女の国が建国以来おとろえることなく栄えつづけてきたのは、作物やエネルギーなどが他国よりはるかに多く取れたからだ。それはこの女の中に流れる代々受け継がれてきた王家の愛と性の象徴である血によるものだ。そして、それが今お前との結婚によって目覚めたのだ。
何をしなくてもお前はこの女といる限り、国を大繁栄に導くことになる。しかし、残念だがこの女は俺が最後のマスターキーを手にいれるために使わせてもらうぞ!」 「そ、そんなことのために…よよくも…ゆ、許せない!」 タカヒロは顔がまるで別人のように様変わりしていました。
「タカヒロ、目を開けてよく見ろ!この女の何とも言えない魅力は愛と性の象徴である王家の血からきている。血が失われていくとどうなるかな?……この女は今魅力的か?胸がときめくか?心の底から好きだと言えるか?どうだ…」 タカヒロはミア姫を見ておもわず絶句しました。
自分にとって特別な存在だったミア姫が色あせた写真のようにその魅力がなくなっていたのです。 何一つ変わってないのに、どんどん魅力がなくなって、きれいに咲き誇る花がしぼんでいく感じでした。 戸惑いたじろぐタカヒロに魔王使いは「…気にするな…お前が悪いわけじゃない…愛とは錯覚だ…フッフッフ…」そう優しく声をかけるのです。