タカヒロはもうミア姫を探そうとする気を完全に失っていました。 魔王使いは地上をしらべ終わると今度は海に手をのばし、海底の奥深くから砂や泥をすくいたんねんに調べはじめました。 「邪魔だ、どけっ!!」 クジラやシャチをつまんで大地の彼方に放り投げていきます。
魔王使いが血眼になって広く深い海の中をさがしても、手掛かりとなるようなものは全く見つかりません。 「おかしい…セカンドキーを手にいれ巨人となった俺が見つけられる場所に必ずあるはずなのだが、どこにもない…ど、どういうことだ!?」 魔王使いはだんだんと怒らだちはじめます。
「どこだ!どこにある!!」 悔しさのあまりドスンドスンと地団太をふむと、地面がはげしくバウンドしこの地方では発生したことのない大きな地震が起きるほどでした。 そのため、大地は隆起し地層はめくれあがり、一番深い所にあった地層が飛び出してきたのです。
よく見ると、もっとも下の層にはなぜか土や泥ではなく光り輝く粒子であふれていました。 「そ、そうか…まだ探していない所が1つだけあった。もしかすると最後のマスターキーは、この大地の奥深くのさらにもっと深い所にあるのかもしれん…」 大急ぎで掘りやすい砂漠にもどってきた魔王使い。
両手をスコップのようにして一心不乱に穴を掘りはじめました。 「この世界が誕生したときいったい何があったか分からんが、おそらく最初にこの世に生まれたものの中に、最後のマスターキーがあるのかもしれん…悔しがらなければあやうく見落とすところだった…」 砂やドロ、そして固い岩盤を掘りつくすと、まばゆいばかりの光り輝く粒子が出てきます。