「ひ、姫…!?」 声のした方へ手をのばし、砂の中をさぐってみました。が、冷たい砂の感触が返ってくるだけでした。 「タカヒロ…今までありがとう。あのね…もう時間がないの…声…ききとりにくい…ゴ…メン…あなたに伝えたい…こと… よく きいて… お願い… ミア… 呼んで…ほしかった…」
涙をふくとタカヒロはミア姫の消えていく声にみみをすませました。 「私は…王家の娘… 生まれ…あなたと結ばれ… とても嬉し… 気持ち…あなた に伝えたか…た。
タカ…ロ …過ごせて… 楽し…かった わたしを …見つけて 好き …なって…ありがとう。
… 幸せ だった。…あなたの力… みんな 守って…あげて…」
ミア姫の声がとぎれると、タカヒロはその場に崩れ
決壊したように涙があふれて止まらないのでした。
そして、しばらくするとミア姫が目の前にいる錯覚におそわれたのです。