大勢の前で恥をかいたガオタイガーでしたが、
すぐに頭を冷やすとおかしなことに気づきます。
「失礼ですが王様、この問題にそもそも答えはあるのでしょうか?
そもそも問いが矛盾しているのですから答えなんてありますまい!
いったいどうやって初代の王は答えを出したと言われるのですか?
それこそ矛盾しているではありませぬか!?」
ガオタイガーは勝ち誇ったように腕組みをしてみせました。
観衆もザワザワとしはじめ会場の雰囲気も変わります。
「その矛盾からいかに答えを導くか、そこがこの問題の一番大事な所である。
国を治めるともあれば学問のように正しい答えがいつでも用意されているとは限らぬ、
あい矛盾するその中にあって耐えてこそ真の王と言えるのだ。
しかも道のないところに道をつくり民を導いていかねばならぬ。
では、先代の王が正しい道を見つけた話をしよう………
鳥が矛盾しているのだから、導き出せる答えは『道は分からない』となる!」
会場のザワザワが大きくなると、
ミア姫さまも心配そうに父である王様を見つめます。
笑みを浮かべるガオタイガー。
その横でタカヒロは心配しているミア姫さまに胸をときめかせていました。
王様は席につくとさらにつづけました。
「『分からない』とはどういうことか?
初代の王はそもそもから考えてみた。
『分かる』とは、文字からわかるように、
刀で切り分けるように物事を2つに切り分けるという意味である。
ということは、『分からない』とはつまり『分かれていない』ということ。
『道は分かれていない』のではないかと王は思われた。