「タカヒロよ、飲んで死ぬことになればただの愚か者。
結果として勇気があるとは認められぬぞ。それでもよいのか?」
「よ~く考えるんだな、つるつる頭。
お前のような身分の低い者が生きのこる可能性はない!
たとえ運よく生き返ったとしても、
前と何にも変わらないのがオチだろうぜ。ハハハハハ」
「ミア姫さまと結婚できるチャンスなんだ。
ボクは絶対生きのこってみせる!」
タカヒロも三途の川の水がなみなみとつがれたグラスを
両手で持ちあげました。
「さぁ、一気に飲み干すのだ」
タカヒロとガオガイガーはグイっとグラスをかたむけ、
一気に水を飲み干しました。
「ぐわあああーーー!!!」
二人はまるで全身が引きちぎられるかのような痛みで絶叫します。
全身の痛みがはげしさを増すと、
タカヒロとガオタイガーの魂は体からはなれ、
デッドラインを超え黄泉の国へと旅立っていきました。
黄泉の国へ真っ先にたどり着いたガオタイガー。
その目の前にニョロニョロとおぞましい姿の大蛇が出てきたのです。
いきなりガオタイガーの魂を大きな体でぐるぐる巻きにすると、
ぞうきんを絞るようにしめあげたのでした。
「が…がはっ……」
魂が壊れるほどのものすごい力で、あやうく意識を失うほどでした。
「ガオタイガー……
お前は……とびぬけた邪悪さをもちあわせている…
…そのすばらしいポテンシャルを活かせるよう……
……特別な力を授けてやろう…」
大蛇はそのままその大きな体で
ガオタイガーの魂をゆっくりと絞めつけていきました。
ガオタイガーの魂はきしみ、心がバラバラに砕ける直前
邪悪な欲望を押さえつけていた心のフタにヒビが入ります。
「…う…く…ぐ…ごふっ!」
「これくらいでねをあげるなよ…まだまだこれからだ…
やめるんならこのまま魂を地獄におくるぞ…いいな…」