第41話 よみがえるガオタイガー

「夜が明けようとしている。

 三途の川の水を飲んでもう丸一日苦しんでいる。

 二人ともこのまま生き返ることなく死んでしまうかもしれぬ…」

王様は苦悶の表情をうかべました。

「王様!さきほどガオタイガー様もタカヒロ同様

 心臓が完全に停止し体が腐りはじめております。

 そのうえなぜか全身が黒くなって骨も粉々に…」

従者からもたらされた情報をきいた王様は天をあおぎました。

「あ…あぁ…やはりか…とりかしのつかぬうちに

 早く水をはかせて助けるしかほかあるまい」

「はっ!」

従者がガオタイガーのお腹に手をかけると

「その必要はない!」

その手を払いのけガオタイガーが目を覚ましたのです。

「い、生き返った!ほ、本当に!?お戻りになられた!!」

「フン、ずいぶんみくびられたものだ!」

ガオガイガーは王様がいる謁見の間へ向かいました。

ガオタイガーをみて王様は顔をほころばせました。

「一滴も水を吐き出すことなくよくぞ生きて戻った。

 見事じゃガオタイガーよ。早く傷の手当てを…」

「それにはおよびませぬ。デッドラインのはるか向こうで、

 人の想像をはるかに超える底なしの力を手に入れてまいりました。

 今ご覧に入れましょう」

ガオタイガーが目を閉じて全身に力をこめると

黒ずんでいた肌はあとは生まれたての赤ん坊のようになり、

バラバラだった骨もあっという間につながります。

そして、みるみる元のたくましい体に戻ったのです。

「か、体が…ま、まさか!?

 水をすべて飲み干したことで得られる力がこれほどのものとは…」

それは王様の予想をはるかにこえる特別な力でした。

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