一方、タカヒロはというと2匹の野良ネコを助けたために渦巻きのまきこまれグルグルと水の中に消えたのですが、その様子をはるか上の宇宙からながめていた存在があります。 人間がうまれるよりはるか以前、地球がうまれたイベントにかかわったネコです。
このネコは時間をかけるネコで、時間のなかを自由に行ったり来たりできます。 ネコは時間をさかのぼり、海の中から1粒の水滴をみつけだし、それを肉球にのせフーっと息を吹きかけました。 たちまちタカヒロは元の姿に戻ります。
タカヒロは立ち上がるとキョロキョロとあたりを見ました。 「一体、ここは!?」 ネコが答えます。 「ここは時の流れをつかさどる時間の中です」 「時間の中??ふ~ん…ずいぶん変わった名前。あれ…ネコがしゃべってる!?」
ネコは話を続けます。 「どうして何のとりえもない野良ネコを、あなたは自分の命を捨ててまで助けたのですか?」 「そ、そうか!ボクはネコたちを助けて死んだんだ!あぁ、母上には生きて戻るって約束してきたけど…ま、まずいことになったぞ。何とかして戻らないと!」
「…大事なことゆえ正直に答えてください…」 「う~ん…そんなこと聞かれても自分でもよくわからない…ただ夢中だったんだ。それよりあのネコたちは助かったの?」 ネコはうなずきました。 「そう、助かったんだ…よかったよかった」 タカヒロはホッとしました。