翌朝、タカヒロが立派なネコを抱いているのをみて
養母はびっくりしました。
あわてて周りをキョロキョロ見回すと、
タカヒロが勝手にどこか偉い人の飼いネコを盗んできたと、思ったのです。
「どこのお家から盗んできたんだいお前?いくらネコが好きでもダメだって!
あれほど言ったのに…さぁ早く返しておいで、タカヒロ…」
「いえ、これは母上へのプレゼントです。おじさんに買ってもらったんだ。
ボクも欲しかったけど、このネコだけはどうしても母上にあげたくて…(^▽^)」
「タカヒロから初めてのプレゼントが、こんなに可愛いネコなんて、あぁ!」
養母は本当はネコが嫌いだったのですが、
嬉しそうにしているタカヒロのプレゼントを断るわけにもいかず、
「ありがとう」といって人目もはばからず、泣き出してしまいました。
「あぁ、女神様。この子をどうかしっかりお見守り下さい。
頭の毛はないし身長も1m50㎝しかなくて、
宇宙人と近所の人に言われるんです」
その夜タカヒロは幸せで胸がいっぱいで、ほとんど眠れませんでした。
あくる朝、おじさんがまたやってきました。
ドアをたたく音がしたので、タカヒロは階段を降りておじの目の前に立ちました。
「おはようタカヒロ。今日は宇宙人と噂されるお前でも
絶対に見たことがないすばらしいものを見せてやる!」
2人は、仮想世界に入る”ネコの穴”にやってきました。
周りは黒山の人だかりで、長い行列でずいぶん待ちましたが、
2人はチケットを購入するとイスに腰を下ろしました。
黄金のたてがみをなびかせたライオンが近づいてきて口を大きくあけると、
そのまま2人を丸のみにしたのです。
するとそこはすでに仮想世界で、血も出ないし痛みも感じませんでした。
魔法使いは帯をほどいておしりを丸出しにすると、
「プゥー」とオナラをしました。
「さぁお前もやってみな。『仮想世界がなんだ!』っていきがるんだ」
2人は全力でオナラをしました。
十分におなかの中にガスがたまってたので、
魔法使いはプププとリズムをつけてやりだしました。
「おじさん、どこまでオナラって出るもんですか?」
こんなにオナラする人をみたことがなかったので、
タカヒロは興奮してたずねました。
「他の人は大きな音が出るとあわてるもんじゃないですか?
なのにおじさんには全然そういうところがないから・・・
あの・・・もうそろそろやめてもいいのではありませんか?」
すると、魔法使いは答えました。
「男らしくないなぁ…ワシはおまえの前ではもう絶対に
オナラはしないと約束しようじゃないか。
でもその前に心ゆくまでオナラをさせてほしい。
世界中どこを探しても仮想現実の中でこれほどのことをやった凄まじい男は
ワシ以外にはいないと思われたい」
そして、あらゆるオナラの音を響かせながら屁をこいているうちに、
とうとうおじさんが目指していた最後のオナラが出ました。