第45話 不吉な予感

「は、母上!?…そうか…ボクは生きてかえったんだ!ネコに運んでもらって…」 「よかった、よかった、タカヒロ!!お前なら必ず生きて戻ってくると信じていたよ。でもね…」 そういうと養母は目からポロポ涙をこぼしました。 「…し…死ぬん…じゃ…ないか…って……心配したよ…」

「ほんとうに…ほんとうに…戻ってきてくれて良かったよ…」 養母は腰をかがめるとタカヒロを抱きしめました。 「は……母上…」 「さぁ、がんばったごほうびにおいしい料理をたくさん作っておいたから、いっしょに食べようね」

涙をぬぐうと養母は何事もなかったようにふるまいます。 ふとタカヒロはベッドの下で不審な動きをしているネコに気づきました。 「あれ!?頭が後ろを向いたまま戻らなくなってる…」 ネコは養母に踏まれたため、首が180度回転したまま押しても引いても動きません。

借金で首がまわらないことは聞いたことはあっても、ネコの首までがまわらなくなることがあるとは思いませんでした。この不思議な現象にタカヒロは何か嫌な予感がしたのです。そのとき爆発音がしたかと思うと、ドアが蹴破られてガオタイガーが入ってきたのです。

「よぉ、ずいぶん遅かったじゃないか。おかげでずいぶん前にオレが第二の試練の勝者となったことも知るまい。そのまま眠りつづけたほうがよかったんじゃないのか?」 部屋に入ってきたガオタイガーの大きくなった体にタカヒロと養母は驚きます。 タカヒロは負けたことを知り肩を落としました。

「ほぉ~、水を半分しか吐き出さずに生きて戻ってきたことは誉めてやろう。だがオレは一滴も吐き出さなかった。そのうえ自分でも驚くほどの圧倒的力を手に入れて、今とってもごきげんなんだ。それで1つ忠告しといてやろう。次の第三の試練で死にたくなかったらすぐに辞退しろ!

最後の力の試練ではきさまとオレは直接対決する。そして、その勝者が正式に姫様と結婚することになる。だがな、1国に2人も王子そして国王はいらんのだ。つまり、オレときさまのどちらかが死ぬまで闘うことになる。せっかく生きて帰ってきたんだ、きさまもまた死にたくはなかろう」

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