第61話 歯止めがきかない

「フフフ…キサマにしてはずいぶんな誉め言葉じゃないか」 そのとき、背後から養母が声をはりあげました。 「タカヒローーー!わたしはどうなってもいいからーしっかりするんだよー!負けちゃだめだよーーー!!」 しかし、よくみると養母は恐怖のためガタガタ震えていました。

「なるほど…親が親なら子も子ってわけか…身分をわきまえん奴らだ…」 ガオタイガーは拳を固くにぎりしめ水爆弾を養母に向かって投げました。少し手前で爆発してケガはなかったものの、少しでも動くとためらいなくふっとばす恐怖をうえつけたのです。 「や、やめ…やめてくれ!!……たった1人の家族なんだ…たのむ…」

「そうだ、それでいい。やっと理解したようだな、自分の置かれた立場を!しかし、ずいぶん遅かったんじゃないのか?…オレ様が忠告したように最初からこの闘いを辞退していればこうはならなかった。そうは思わんか…くっくっく」 ガオタイガーは恥をかかされた分、うっぷんが残虐性となって自分に歯止めがきかなくなっていました。

「うごくなよ…うごいたらとりかえしのつかんことになるぞ…」 うすら笑いをうかべながら一歩一歩タカヒロに近づき目前までくると、 「キサマも一人で旅立つのはさみしかろう!愛する養母といっしょにあの世に送ってやろう!!

死路に迷わぬように一瞬で始末してやる、死ねーーー!!!」 そう叫ぶと、サーベルをタカヒロとその背後にいる養母に向かっておもいっきり振り下ろしたのです。 サーベルがタカヒロと養母を真っ二つにする寸前、タカヒロは特別な力がやどる片手でガオタイガーの大剣をうけとめます。

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