第62話 はじめての激突

ガオタイガーの人知を超えた特別な力とタカヒロの人知を超えた特別な力がはじめて激突した瞬間、空間と時間にゆがみが生じ、この国では降るはずのない真っ白な雪が降りはじめたのでした。 「や…やっぱり…おまえは…ボクだけじゃなく…母上の命まで…奪うつもりだったんだな…」 「フン、それがどうした」

タカヒロの力を吸って吸収する力がガオタイガーのさらなる力を引き出します。 「オレ様のえた特別な力はイメージでえがけばえがくほど力が得られる。つまりこのサーベルにくわわる力はますますこれから強くなってゆくのだ。これがどういうことか分かるか?…キサマはいずれはもちこたえられなくなり、特別な力がやどるキサマの手ごとあとかたもなく粉砕されるということだ!!」

こらえるのがやっとだったのが、しだいにガオタイガーの力におされサーベルがタカヒロの手にくいこんでゆきます。 (ボクとちがって、あの水をすべて飲み干したこの男の力には限界がない…あまりに圧倒的すぎる…剣をうけとめて母上を逃がすつもりだったけど、それも阻止された…も…もうダメだ…)

「これで正式にオレ様が王子となり、やがては次期国王になるわけだ。ふはははーーー!!!」 ガオタイガーはこの世でもっとも固い宝石をきりさくイメージからさらにどんどんイメージをふくらませてゆきました。

それにともないガオタイガーの筋肉もどんどん膨張しまるで化け物のような姿になってゆきます。 見物していた子どもたちは泣き出し、女性は目を背けます。 と、そのとき逃げまどう人たちの間をすり抜け、一匹のネコが闘技場にかけあがるとすごい勢いでガオタイガーに突進するではありませんか。

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