3つの試練にいどみ最後まで生き残ったタカヒロは、とうとう念願であるミア姫さまとの結婚が決まりました。そして、いずれは王様となります。 タカヒロと養母はやがて宮殿によばれると、庭園のなかに入っていきました。 大臣をはじめとして将軍や各国の代表者たちもみな跪いて待っていました。
タカヒロの到着を伝えると、王様はすぐにタカヒロたちを中に通すように部下に命じました。 王様はタカヒロをまじかにみて、(何のとりえもない、家柄に恵まれているわけでもないただの青年が…ほんのわずかな間に、これほど成長するとは……) あらためて驚かれました。 「タカヒロよ、ミアはお前のものだ。
名誉ある王家にお主を迎えることを心から祝福しよう!そちも疲れているだろうが、さっそく今夜婚礼をあげるように取りはからいたいのじゃが…いかがであろう?」 王様の言葉をきいたタカヒロは複雑な心境でした。
家族であるネコを失ったことが心底こたえていたからです。 ミア姫さまはタカヒロの活躍をみていたので、いかにも幸せそうでした。 試練がはじまるときの悲しそうな顔や沈んだ様子がすっかり消えており、温かい笑みがこぼれていました。 「娘よ、気に入ったようじゃな。余はこのタカヒロという青年がそちにとって良い夫になると思うておる。もし、お前の心の声にもかなうようであれば、このタカヒロによってお前はいずれ王女として幸せになるであろう」 養母がニコニコしているので、タカヒロは自分の結婚のことをこれほど喜んでくれている養母に感謝を伝えました。