そのためにパーソナリティの中でもとくに誠実さと積極性を厳しくチェックしており、タカヒロのことをすっかり好きになりました。 国が滅ぶ原因のほとんどは、王の能力ではなく性格や気質に由来するからです。 王様が合図をすると、いっせいに楽師たちが歓喜のファンファーレをならします。
いよいよ待ちに待った婚礼の晩餐会がはじまりました。 大臣や重臣、貴族たちも身分にしたがってそれぞれのテーブルでお酒をのみ楽しくおしゃべりに花を咲かせています。 王様がタカヒロに話しかけると、少し間の抜けたところはあるものの、我欲のない慎み深さに感心するのでした。
遠くの国からもわざわざ領主みずから足をはこんで、タカヒロとミア姫さまの婚礼を見物しました。 婚礼の儀がおこなわれるなか、タカヒロがミア姫さまの部屋をたずねると、中から聞いたことのあるネコの声がして驚きます。 あわててドアを開けると、亡くなったはずのネコが
ミア姫さまのひざの上でくつろいでいたのでビックリしました。 「ネ…ネコ…ネコーーー!?」 「ニャー?」 タカヒロは目を白黒させます。 「生きていたのか!?…ネコ…召されたはずではーーー!?」 無事なネコの姿にその場にうずくまると、うれしくて涙がこぼれます。
「母上にはやく知らせてあげなきゃ…きっとボクの結婚以上に喜んでくれるぞ!…それにしても、どうして…??」 「この子は死ぬほどの大きなダメージを受けましたが、わたしの中に脈々と流れる王家の血によって元気をとりもどしたのですよ」 「…!?…お、王家の血……そういえばきいたことがある…