ネコが好き以外とりえのなかったタカヒロを思いだすと、
とてつもないエネルギーがあふれてきます。
しかし、タカヒロは三途の川の水を飲んで1度完全に死んでたので、
呪いが通用しなくなっていました。
「くっそ~!あいつはなんの苦労もしておらん。なんの努力もしておらん。
そんな奴がこの世界の最初のマスターキーを手にいれ、
人生を謳歌しているなんてことが許されてなるものかーーーっ!!!」
魔王使いはなんとか気持ちを落ち着けます。
「パペサタンアレッペ…パペサタンアレッペ…
タカヒロの居場所を教えてくださいませ…」
魔王使いが炎のなかにライオンのたてがみをくべると、
タカヒロがお城にいることや王様の娘と結婚して幸せに暮らしていること、
そして近々第二のマスターキーを手にするビジョンが浮かんだのです。
あわてた魔王使いはすぐに旅立ちました。
「奴が次のキーを手にすれば、俺の望みは完全についえる!急がねば」
タカヒロの住む都につき高級ホテルにとめてもらおうとしましたが、
どこのホテルも観光客でいっぱい。
町の中もたくさんの旅行者や商人でにぎわっています。
以前来たときとはうってかわって、
町の中は活気にあふれ占いの結果にあった、
タカヒロがこれから長い人生の絶頂期に入るわけがわかりました。
少し郊外にある安いホテルをようやく見つけることができましたが、
どこもかしこもタカヒロの話でもちきりでした。
「すみません…そのタカヒロというのは、
たしか貧しいネコ屋のせがれでそうとう貧乏してたはずですが…」
魔王使いはホテルのフロントにたずねました。