第86話 3つのマスターキー

「まず聞きたいことがあります。ボクが部屋から出られない間に、あの黒々しんじゅを誰かに持ちだされたのです。今どこにあるのか分かりますか?」 「えぇ…タカヒロ、その黒々しんじゅのせいなんですね。わたしたちがこんな災難にあったのは?あなたのことを誤解してしまって…本当にごめんなさい」

悲しそうにミア姫は謝りました。 「どういうことです?…いったい何があったのか全て話してください。姫さまが急にいなくなるし王様もボクを殺そうとするし、話がよくつかめなくて…」 タカヒロにうながされてミア姫はこれまでのことを最初から最後まで、とりわけ黒々しんじゅが

呪われた邪悪な宝石で国を亡ぼすこと、それを宝石商に教えられたいきさつをくわしく説明し最後につけ加えました。 「黒々しんじゅを宝石商にわたして亡き母の部屋に閉じこもったわずかの間に、こんな遠い砂漠の中にきていたのです。わたしたちをだましたあの男の話によると、

黒々しんじゅからネコの怪物君というものを呼びだしてこんなことをしたというのです。そして、あの男はこうも言ったのです。『最初のマスターキーである黒々しんじゅを手にいれた今、第二のマスターキーが近々手に入るだろう。そのマスターキーが手に入れば、いよいよだな…』」

ミア姫は一息つくと、ネコにしか興味のないタカヒロが話についてきているか確認しました。 「それでね、最後にこう言ったの。『俺がすべてをかけて求めてきた最後のマスターキーについに手が届く。そうすれば、私が望むすばらしい未来がやってくる』と。どういことかしら?」

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