「…では、やつが黒々しんじゅをどこに隠しているかご存じなんですね」 「いつも肌身はなさず持ち歩いて、ただの一時も手放すことはありません。でも、たった1度だけふところから取り出して、わたしに見せてくれたことがありましたわ。
黒い光を見つめるわたしの顔をそばで見て、あの人は突然驚いた顔をすると『第二のマスターキーがこんな近くにあったとは…』そういってとても嬉しそうに笑いました。それから不思議と私の血を取るようになって…」 タカヒロの心は、何やらいい知れない不安でいっぱいになります。
いい知れない不安になるタカヒロ。青空だった空もいつの間にか真っ黒な雲につつまれていました。 「姫、よく聞いてください!ボクは何かわかりませんが、とてもイヤな予感がするのです。とにかくこれ以上、あの男といっしょにいると命の危険があります。一刻も早く黒々しんじゅを取り戻して
ここから離れないと、なんだか永遠に姫君がいなくなる気がして…」 そこまでタカヒロが言ったとき、 「その通りだ!さすがはタカヒロ、最初のマスターキーを託された男だけのことはある。おつむは弱いが野生のカンは鋭い」 ミア姫の部屋のベッドの下から魔王使いが突然あらわれました。
「ネコの怪物君にたのんで、ずっとその女のベッドの影に身をひそめていたのだ。タカヒロ、お前がやってくるのを待ってな…」 前会ったときより大きく見える魔王使い。 その手には黒々しんじゅが握られており、その黒い光が放つ先にはネコの怪物君がたたずんで命令をまっていました。