「つまり、生き残ったものが新しい世界の扉をひらく…そういうことだな。フッフッフ、まさかここまでお前と深くかかわることになるとはな…運命は占いでも全く予想できない」 希望がみえてきてタカヒロは心の底から力がみなぎってきました。 メロディーの余韻がきえ、いよいよ新しいメロディーを受け入れる準備ができたとき、死神は消えようとしていました。
「ハァ…ハァ…ハァ…」 残された寿命がわずかとなり、魔王使いの体があきらかに消耗していました。 巨大化した体はみるみる縮んで小さくなり、気力でカバーしようとするもののついに衰えが隠しきれなくなります。
皮膚はたるみ肌のツヤがうしなわれ、顔もくすみと深いシワがめだつようになり、歯が入れ歯のようにごっそり取れてしまいました。 タカヒロは怒りと憐れみを感じていました。 「自分の寿命を代償にしたそのツケがきはじめている。このまま闘わなくても、お前はいずれ死ぬ。お前にはもう力はない。ミアと母上は天国で喜んでくれていると思う。それに今なら黄金の竪琴元に戻せば、大きな傷跡が残ってもなんとか世界はもちなおしそうだ」 魔王使いは呼吸も苦しくなり、息をひきとる間際まで衰弱し弱ってきました。 ついにお迎えの時がきたのです。