「ボクは竪琴を戻して、世界がこのままつづくようにする。お前はあの世で悪行を反省するんだ…」 「…ゲホ…ゲホ…」 魔王使いは何か言おうとしましたが、血がノドにつまり咳こみます。 「ハァ…ハァ…お願いだ…あの女を生き返らせるから…お前の血を…俺に分けてくれ…」
「ハァ…ハァ…お願いだ…あの女を生き返らせてやるから…お前の血を…俺に分けてくれ…」 「!?…ミ、ミアのことか」 竪琴を手にその場から立ち去ろうとしていたタカヒロは、あわてました。 「ミアを、1度死んだ人間を生きかえらせることができるのか!?どうなんだ、答えろ!!」
た…たのむ…俺にほんの少しお前の血を…分けてくれ…」 もう少しで息絶えようとしていた魔王使いは、タカヒロから血を分けてもらいました。 すると、朽ち果てていた体に生気がみなぎりあっという間によみがえったのです。 「これだけやればもう十分だろう。早く、ミアを生き返らせるんだ!」
そのころお城の中では、タカヒロが巨人となって砂漠で闘っていると、王様の耳に入りました。最初その話を聞いたとき 王様はファンタジーだと思って信じませんでしたが、家来に命じて望遠鏡をもってこさせると止めるのも聞かず、いつ崩れてもおかしくないお城の物見やぐらにのぼります。
そして、望遠鏡で遠く離れた砂漠に目をこらすと、なんと本当にタカヒロが雲に手がとどくほど大きくなっており、もう1人の巨人と闘っている所でした。 「な、なんだあれは!?…タカヒロが山のように大きくなっておるぞ!!」