第111話 むなしい決着

「ハッハッハ!まさかあんなヘタな芝居にひっかかってくれるとはな…俺があの女を生き返らせるわけなかろう。いま唱えた呪文はあの世から再び死神を呼びだすためのものだ。今度は確実にお前に死んでもらう。俺を助けたためにお前は死ぬんだ。

女のために俺を助けたお前のその甘さが命取りになったな、タカヒロ。あの世でたっぷり後悔するがいい、フハハッハハ!」 魔王使いが指をパチンとならすと影から大きなカマをもった再び死神があらわれたのです。

死神は手をのばし魔王使いの首をわしづかみしました。 「…シヌノハ…オマエ…カ……」 カマが振りかぶられたとき、魔王使いは皮膚をかきむしりタカヒロからもらった血をうやうやしく差し出します。 「あ、あいつ…だ…」 「…ミアは生き返らないのか…」 肩を落としたタカヒロの前に影がきました。

「皮肉だな…勝負では勝てなかった俺が生きのこってお前が死ぬなんて…」 「………」 「俺をバカにした奴は死ぬんだ!俺は絶対にそんな存在ではない!!」 魔王使いが指をならすと影から死神があらわれ、タカヒロの首にカマをあてて大きく振りかぶりました。

そしてギロチンのように高い所から一気にふりおろしたのです。 「俺が新しい世界の創造主となる!キサマは邪魔だ、出ていけーーー!!!」 タカヒロの首がはねとばされたと思った瞬間、カマはタカヒロの首をすり抜け後ろにいた魔王使いの首をはねとばしたのでした。 コロコロと転がる魔王使いの首。

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