第114話 新しいメロディー

(…あなたには私がついている。…忘れないで…) (ミ、ミア…!?ま、まさか………でも、もう…ダメなんだ。竪琴がとまってしまってどうしても戻せない。それで…世界はもう終わる。そうすればキミも含めて何もかも…) (タカヒロ…竪琴を!)

きっとあなたは竪琴を奏でられる…いそいで!) (だ、だけど…ボクは音痴で音楽が分からない。楽器だって何にも弾けないんだ…) (…大丈夫……あきらめないで奏でましょう……ともに…)

(!? わ、わかった…やってみるよ!) 竪琴をおろすと、タカヒロは目をとじました。 そしてミアの声にしたがい、彼女と同調をはじめたのです。 ミアのイメージが心の中で種から芽吹いてどんどん大きくなるにつれて、タカヒロの心とミアの心が重なります。

お互いの心の中に流れるメロディーが合わさると、 タカヒロの手が勝手に動きはじめます。竪琴の弦にふれ、新しいハーモニーが生みだされそれまで聞いたことのないメロディーが世界のすみずみまで響きわたります。 (がんばってタカヒロ!このまま何もかも無になってしまったら、私たちを結び付けているものも消えるわ)

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