第19話 呪われた宝石

何もなくてすっからかんだったカジノの地下室はたった1日で
札束があふれ入りきらないほどぎっしりになりました。

ボスは黒々しんじゅを取りあげると
すぐにタカヒロを追いかえしました。

それからというもの、マフィアのボスのもとには
たくさんのお金とともにたくさんの人が出入りするようになり
金遣いと遊びがはげしくなっていきます。

いつでも好きなときに望むだけのお金が手に入るのですから、
まさに王様になったも同然でした。

しかし、親戚や友人、家族たちに色んなものを買い与えたり、
広大なリゾート地、高級車もクルーザーも購入したのですが、
贅沢な暮らしを満喫したわずか3か月後には
彼のもっとも忠実だった部下に銃で殺害されてしまいました。

ボスを殺害し黒々しんじゅを手にした部下でしたが、
ボス以上の派手な生活を送り人生を謳歌していたのですが、
ふしぎなことに1か月もしないうちに死亡します。

誕生日を祝おうと家族そろってパーティーをしていたのですが、
急に具合が悪いと訴えてそのまま病院で死亡しました。

診断書では心筋梗塞にとる死亡と断定されたのですが、
実はケーキの中に毒物が盛られており、それによるものだったのです。

黒々しんじゅを手にした妻は親族と大金を山分けにしたのですが、
誰かにニセモノと入れ替えられ、そのまま行方不明となります。

何でも願いをかなえてくれる黒々しんじゅは
持ち主をとてつもなく裕福にする一方、
必ず事故死や急死などの悲劇を招くのでした。

いわくつきの呪われた宝石となった黒々しんじゅは、
厄介払いされるようにタカヒロのもとにもどってきたのです。

タカヒロは18歳の立派な大人に成長していました。

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