何もなくてすっからかんだったカジノの地下室はたった1日で
札束があふれ入りきらないほどぎっしりになりました。
ボスは黒々しんじゅを取りあげると
すぐにタカヒロを追いかえしました。
それからというもの、マフィアのボスのもとには
たくさんのお金とともにたくさんの人が出入りするようになり
金遣いと遊びがはげしくなっていきます。
いつでも好きなときに望むだけのお金が手に入るのですから、
まさに王様になったも同然でした。
しかし、親戚や友人、家族たちに色んなものを買い与えたり、
広大なリゾート地、高級車もクルーザーも購入したのですが、
贅沢な暮らしを満喫したわずか3か月後には
彼のもっとも忠実だった部下に銃で殺害されてしまいました。
ボスを殺害し黒々しんじゅを手にした部下でしたが、
ボス以上の派手な生活を送り人生を謳歌していたのですが、
ふしぎなことに1か月もしないうちに死亡します。
誕生日を祝おうと家族そろってパーティーをしていたのですが、
急に具合が悪いと訴えてそのまま病院で死亡しました。
診断書では心筋梗塞にとる死亡と断定されたのですが、
実はケーキの中に毒物が盛られており、それによるものだったのです。
黒々しんじゅを手にした妻は親族と大金を山分けにしたのですが、
誰かにニセモノと入れ替えられ、そのまま行方不明となります。
何でも願いをかなえてくれる黒々しんじゅは
持ち主をとてつもなく裕福にする一方、
必ず事故死や急死などの悲劇を招くのでした。
いわくつきの呪われた宝石となった黒々しんじゅは、
厄介払いされるようにタカヒロのもとにもどってきたのです。
タカヒロは18歳の立派な大人に成長していました。