タカヒロと黒々しんじゅ

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第31話 余裕ガオタイガー 

『私はウソしか申しません。あなたに正しい道を教えましょう。 左の道を進みなさい。そうすればこの森から出られ、その先には広くて豊かな大地が あなたを終わりなき繁栄へと導くことでしょう』この問いに初代の王は正しい答えを出された。そして森を抜け、...
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第30話 頭が良いのはどっち?

「冗談きついぜアイツ、あんな小さな体で!それに頭にも毛がまったく生えてないぞ、どっわははは」 静かになるのを待っておもむろに王様は立ち上がりました。 「王家がはじまって以来、 王から王へと代々受け継がれてきた試練、 それが『3つの試練』であ...
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第29話 いざお城へ

養母は王様に何度もお礼をのべ家に帰りました。 家につくとすぐに王様が宝石をうけとってたいへん驚かれたこと、そして姫さまとの結婚のチャンスを与えてくださったことをタカヒロに伝えました。 「王様は姫さまをお前にあげるチャンスをくれたよ。 ただ、...
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第28話 3つの試練

「生まれてこのかた、このような宝石は1度も見たことがない。 何という美しさじゃ!大臣これはいったい何という宝石じゃ?」 隣の部屋から高価な衣装に身を包んだ大臣があらわれ、養母が差し出した宝石におそるおそる近づきます。 「残念ながら王様…… ...
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第27話 怖い?王様

王様は情け深い方だったので、「アハハハハハ」と笑ってくれました。 「女よ、お主とてもおもしろいのー。 毎日堅苦しい話で退屈していたのだ。 余も何かお礼をせねばのー」 王様はお尻をつきだすと、プーとおならをしました。養母は笑っていいのかわから...
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第26話 養母 極度に緊張す

翌朝早く、黒真珠をきれいな布でつつむと養母ははりきって家を出て王様のお城に向かいました。 謁見の間につきしばらくすると大臣や貴族たちが集まってきて、身分の高い人たちでいっぱいになります。 やがて王様が姿をあらわすと、なみいる人々はすぐに跪い...
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第25話 あいてらす

お姫さまと結婚したいというタカヒロ。その気持ちを王様に伝えてくれるのは養母以外にいません。 「もし私が王様に会えたとしても 王様が喜んでくださるすばらしいプレゼントをお前は持っているのかい?」 「あぁ、そうか…身分が違う場合、話を聞いてもら...
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第24話 母笑う

養母は大きなため息をつくと、目を見てハッキリ言いました。 「タカヒロや…お前は自分が一体どこの誰でどんな身分かをよく考えなさい!  お前の養父はこの国で一番貧しいネコ屋だったし、 私も誰もやりたがらない仕事を 何とか市役所に頼みこんでやらせ...
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第23話 母固まる 

「ミア姫さまか… まるでネコの鳴き声みたいでいい名前だな…うんうん。 王様って会ったことないけど… 母上、僕ミア姫さまと結婚したい!」 養母はゴロゴロしていたネコにけつまづいて転倒しました。起きあがると、叫ぶようにいったのです。 「じょ、冗...
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第22話 熱い想い 

その日の夕方、養母が食事を運んでくると、タカヒロはポカンとしてため息をつきまたポカンとしてため息をつく。そんな感じで少しも食べようとしません。 「一体どうしたんだいタカヒロ? いつも元気なお前が病気でもしたのかい? それとも悩み事でもあるの...